現在、巷ではポリエステルや低反発の布団(化学でできた素材布団)ばかりが売られていますが、当店で最も売れていて、なおかつ健康面を考えても私がおすすめするのは木綿敷き布団です。
昔から各家庭で使われていて、よく押入れに眠っていたりする、あのちょっと重くて厚みのある布団です。
木綿布団は綿花からできています
その木綿敷布団の長所と他の布団(ポリエステルわたの布団や低反発の布団など)を比較すると、まず木綿は汗をよく吸い吸収性が抜群です。
例えると綿のパジャマを着て眠るのとジャージで眠る違いのようなものです。
綿のパジャマ(木綿布団に例えてます)は汗を吸ってくれるけど、ジャージ(化学繊維の布団に例えてます)で布団に入ったらとても蒸れて寝心地が悪い経験はありませんか?とくに夏場は熱がこもりムレ感が出ますし、冬場は底冷えする感じです。
次に木綿敷き布団には適度な弾力があるということです。やわらかすぎもなく硬すぎもなく適度な弾力は寝姿勢的にも良いです。
固綿入りや低反発の布団は最初こそ体を支えますが、使っていくうちに腰やお尻の部分が大きくへこんだり、やわらかすぎるものも多く、木綿布団に変えたら腰痛が楽になったと言うお客さんも多いです。
下の写真は使用後の2種類の布団を3つ折りにした状態ですが、真ん中付近の沈み込みがわかりますか?
赤:使用した手作り木綿布団 青:使用した羊毛混固綿入り布団
機械で作る布団にはない、職人が手作りでかまぼこ型に仕上げていきます。だからつぶれてきてもへこみ等の落差が少ないのです。
そしてもう一つ長所として、身体にやさしい天然素材という事です。化学繊維の布団は汗を吸わない、蒸れる、帯電によりホコリを寄せ付けやすいという欠点があります。アトピーやぜんそくなどの原因になりかねません。
(汗かきの子供にも最適)
化学のわたはわたぼこりが出にくいという長所はありますが、健康を考えた眠りを得たいと思うのであればやはり天然素材が一番です。
ちなみに木綿敷布団の短所としては
汗を逃がす力(放湿性)が弱いので、あまりジメっと感じる場合は、時々日に干してあげたり、布団乾燥機を利用すると湿気が飛んでフワッと気持ちよく使えます。
重いという部分も短所のひとつではありますが、その分厚みがあって身体をしっかり支えるという長所でもあります。
この木綿敷布団は現在、ふとん屋さんでしか売っていません。
私の推測ですが、スーパーやデパートで売っていないのは、木綿布団はリサイクルできるのでアフターが必要です。効率を考えると使い捨ての布団を売って、傷んだらまた新しいものを買ってもらうのが良いと考えているのではないでしょうか。
価格はおおよそ1.5万円〜より良質な木綿を使用したもので3万円台。
わたは再利用もできるので5〜6年位をめどに(実際に多くの方が10年以上そのまま使っていますが…)打ち直しと言って、側生地の交換と、わたを機械にかけて整えなおす事をすすめます。
打ち直しはわたの質にもよりますが3回以上はできますのでかなり長く使えます。
尚、「木綿わた」は敷き布団には最適ですが、掛け布団としてはあまりおすすめできません。重さがあるので体を圧迫させたり寝返りがしずらくなります。
木綿敷き布団を買う時、直す時に注意しなければいけない点があります。
それは使う場所や使い方、組み合わせによって厚さや重さが変わりますので、きちっと相談して決める事です。
例えばマットレスがあって、二枚敷きで使う場合と一枚敷きで使うのでは作る厚さが違いますし、重くて上げ下ろしが大変って方には、軽いわたを混ぜたり、薄くしたりの調整もできます。
打ち直しの場合は、その直される「わた」の状態次第で、打ち直しをおすすめする場合とわたが寿命であれば新しく買い替えをすすめる場合もあります。わたの診断・見極めもせずに、何でもかんでも「はい、直せますよ」と言う業者には注意が必要です。
最後に木綿布団や羊毛布団など天然素材のものは若干ですがその素材の臭いがあります。
これらは使っていると自然に消えて感じなくなりますが、まったくの無臭ではない事をあらかじめご理解ください。
木綿布団に関する説明を動画でもご覧いただけます。
携帯の方は こちら をクリックするとご覧いただけます。
※動画は2011年作成のもので、現在は布団の入れ目(重さ)が若干変わっております。